人気ブログランキング | 話題のタグを見る

東京女子大学同窓会埼玉支部映画好きのお喋りの会


by sscinema

第16回SSシネマの会の報告

2016年12月12日

小春日和の、いいお天気の日でした。
お忙しい中9人の方が集まって下さり、3ヶ月ぶりの楽しいおしゃべりの会でした。

第16回SSシネマの会の報告_e0304734_23355124.jpg
俄然邦画がふえたような感じですが、Kさんのいつもの様に最近のコミックから映画化された映画の解説を聞き、他のメンバーは世代の違った年代なので、自分の娘、息子、あるいは孫にあたる現代の若者の事を理解に役立つかと、関心をもたれているようでした。
なかなか共感にいくまでは隔たりがあるようですが、Kさん懲りずにまた熱のこもったお話を期待しています。
映画の良し、悪しは、観客動員数や賞獲得とかで決まるのではなく観る人が決めるもの。
他人にはどんなにつまらないものであっても、自分にとってどこか共感させられたり、勉強になれば、自分には観る価値があるのです。
私は常にこの価値を捜して、数多くの映画を時間の許す限り楽しんでいます。

◆今回話題になった映画 
『この世界の片隅に』(16日)
第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックをアニメ映画化。
第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。
資金を寄付で集め、低予算で作り上げたものだが、影像は美しい。時代背景が終戦前後の事なので限られた映画館でしか上映されていないため、「君の名は」ほど観客動員数は至ってないが、年配の人にはこの時代の女性の生き方には興味を覚えるのではと若いKさんのお薦めでした。

『SCOOP!』 (16日) 
主演は福山雅治が汚れ役に挑戦。
過去のある事件をきっかけに報道写真への情熱を失ってしまった静は、芸能スキャンダル専門のパパラッチに転身。
それから何年もの間、自堕落な日々を過ごしてきたのだ。
そんな彼に、再び転機が訪れる。ひょんなことから写真週刊誌「SCOOP!」に配属され ...
汚れ役の福山は評判は良くないようだが、頑張っている。共演者の吉田羊、リリー・フランキーが味があって、Kさんは面白く観たとの事でした。

『何者』(16日)
朝井リョウの小説。直木賞受賞作。現代の若者の現実。
就職活動対策のため集まった5人の大学生が、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識によって
彼らの関係性が変わっていくさまを描く。
就職活動を通じて自分が何者かを模索する学生たち、リアルな就活バトルを繰り広げる。
若いKさんでさえ自分の就活の頃を思い出し、時代の変化を感じたとの事。菅田将暉が光っている。
年配の者にとってはすごく隔たりを感じる世界の若者ですが、彼らは懸命にその時代を生きているのですね
それを表現してくれるのが映画ですね。  
      
    
『92歳のパリジェンヌ』(16仏)
“人生をいつどう閉じるか”ユーモアの間から強い意志が伝わってくる作品。
自分の意志とは別のところでひとは生まれ、死んでいく。そんな"常識"をひっくり返すような生き方、
いや、死に方が近ごろ広まっている。とくに欧米では・・・そう感じるのは尊厳死を扱った映画がとても多いから。
フランスの元首相だったリオネル・ジョスパンの母親がモデルになっているというこの映画もそのひとつ。
ひとは出生の自由こそ選べないが、人生をいつどう閉じるか、つまり自分の死に方は自分で決められるはず。        
運転中に街中で立ち往生して途方にくれるマドレーヌ。この日に限ったことではなく、近ごろ何もかも出来なくなっているのだ。そして家族が顔をそろえて祝ってくれた92回目の誕生会の席で告白する。2カ月後に逝くことを
みんなに迷惑をかける前に、自らの手で人生に幕を下ろすことにしたというのだ。絶対反対を主張する家族たち。
一方、マドレーヌの決意も全く揺るがない。限られた日々の中で、家族はマドレーヌの想い、そして彼女の生きてきた人生と触れ合ってゆく……。
何人かの人が観ていらっしゃいました。私は観ていないので、net で検索してあらすじを載せておきます。
だんだんとこの様なものに興味が向いてくる年齢になりました。
自分で御棺のふたを閉めるというのには笑ってしまいました。

『チョコレートドーナツ』
同性愛の優しい男性二人と親に育児放棄されたダウン症の男の子の話。
最後は号泣。

『ハンズ・オブ・ラヴ~手のひらの勇気』 (16米)                                      
「チョコレートドーナツ」男性の同性愛の話。 
「ハンス・オブ・ラヴ」女性版の同性愛の話。どちらも実話を映画化。
思いがけず、とてもいい映画。
「アリスのままで」のジュリアン・ムーアがうまい。
愛の形はいろいろあるので、これはずーっと昔からの問題ですが、
同性愛者の相続、家族としての扱いの権利等を法律的に認められる事は重要だと思います。

『デルス ウザーラ』Dersu Uzala (75日・ソ連)
ロシア人探検家は、1902年から10年のロシアにとって地図上の空白地帯だった地方の地図製作の命を政府から受け、先住民の猟師デルス・ウザーラが、ガイドとして彼らに同行することになる。シベリアの広大な風景を
背景に、2人の交流を描く。「原始的であるはず」のデルス・ウザーラの生き方は、結果的に「文明化された」
ロシア人に、人生の意味などの興味深いことを数多く、シンプルかつ的確に示唆した。
アカデミー外国語映画賞受賞。
昔の映画ですが、日本人は黒沢明監督以下5人のみで全てロシア人のキャスト、スタッフで作り上げた作品。
三船敏郎がウザーラ役を望んだが、叶わず完成作品でもルックスや役柄に2人の影響が見られる
さすが黒澤と思わされる。

『オケ老人』 (16日)
誤って老人ばかりのアマチュアオーケストラに入団し、その指揮者を務めるハメになった女性教師の奮闘を描いた。コメディ。荒木源原作の同名小説の映画化。
楽しくて、心温まるストーリーで もう一度見ても良いというご意見もありました。
私は観ていないのですが、欧米のこの手のオーケストラの映画を比較するとつくづく、文化の深さを感じます。


『ハドソン川の奇跡』Sully (16米)    
クリント・イーストウッド トム・ハンクスがタッグを組んだ人間ドラマ。
2009年1月15日突然の全エンジン停止という危機に見舞われながらも、ハドソン川に不時着して乗客全員が生還した航空事故の顛末にせまる。機長の手記を基に描かれる。
イーストウッドはいつも人間の底にある心情を描く。米人のsurvive と courageの精神が貫いている。

『君の名は』
自然の映像の美しさ、素敵な音楽に青春の甘酸っぱさ等描写、大ヒット作との事で何人かの方に感想をいただきましたが、全体的には「いまいち」という感想でした。

『インフエルノ』(16米)
ダン・ブラウン原作によるシリーズものですが、展開が速くついていくのが難しいとの事ですが、やはり、宗教、芸術の知識が必要なので、翻訳本でも、原作でも読んで見るとより理解されるのではと思います。
私は観ていないので、一度みてから、本に挑戦して見たいと思っています。勉強不足をお許しください。

『マダムフローレンス 夢見るふたり』
お金にあかせて自分の夢をかなえる事に邁進する。外国にはこういう人がいるのですね。日本にも大屋政子はこの部類
だったでしょうか? メリル・ストリープの名演技に尽きる。

*Oさんはマイナーではあっても数多くの紹介して下さいました。
『校庭に東風(こち)吹いて』
沢口靖子が教師役で緘黙の生徒と先生、母子家庭の子育て等描いた映画です。
(埼玉映画文化協会)
『すれ違いのダイアリーズ』
アカデミー映画賞タイ代表作品 タイの水上学校で10人以下の生徒を相手の先生のお話。
                                                
*その他話に上がった映画
『利休にたずねよ』『となりのトトロ』『Four Christmases』『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』『カイロの紫のバラ』
『羊たちの沈黙』アカデミー賞受賞映画だけあり掘り出し物的いい映画だった。
 
◆この様に色々な視点から見た映画のお話を聞いておくと、チャンスがあったら、是非みて、この時の事を思い出しながら楽しみたいと思います。 
ありがとうございました。

第16回SSシネマの会の報告_e0304734_23354870.jpg
次回もまたいろいろなお話を楽しみにしております。
   
第17回のお知らせ
日時  2017年   3月13日  (第2月曜日)
場所  下落合コミュニティセンター 4階 第1集会室


..... Ads by Excite .....




by sscinema | 2016-12-19 23:36 | 報告 | Comments(0)