新しい年を迎えて早速シネマの会は久しぶりにZoomの会を開催しました。
6人で珍しいおやつと飲物を紹介し、楽しいお話の集いを始めました。
次回Zoomミーティングは 2024年3月14日(木) 1:30 ~3:30 を予定しております
お忙しくなる4月の少し前を選びました。興味のある方は覗いてくだされば嬉しくおもいます。
YOKO
◆今回話題になった映画 ・あらすじ等 みなさんのお話より yoko の考え
*『PERFECT DAYS』(こんなふうに生きていけたら) (23日 独)
・東京オリンピック開催を前にして「Tokyo トイレット プロジェクト」 渋谷区の公衆トイレをきれいにしようという事でかなりモダンな公衆トイレを1日3回も掃除する清掃員の日常を淡々と描く。
監督 ドイツ出身 世界的巨匠 ヴィム・ヴェンダース 出演 役所広司 柄本時生、田中泯、石川さゆり、三浦友和
3人の方が観ていらして、活発な意見が聞けました。
・役所広司が(23年カンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞)存在感と温かみのある役者、適役で好演。
・一人暮らしで、言葉が少なく、缶コヒーを自販機で買い、軽自動車でカセットで音楽を 聞きながら出勤。
仕事は丁寧で自分で掃除道具を工夫して作る、カメラで育てた植物の写真を撮る。
夜はチューハイを飲んだり、小料理屋の常連、古本屋で買った単行本を読む。
・この本が倖田文著 「木」で、図書館で調べたら、すでに借り出されていた、皆が感心を持っている事を知った。
・トイレの清掃という下のランクの仕事をしながら、不満もなく日常を送っている人物はどんな経緯でこの仕事をして
いるかというのは推測しかないが、姪が家出して彼の下に来たので、母親(彼の妹)が運転手付きの黒塗りの車で
迎えにやってくる、そこからいい家庭で育ったからこそ普通の落ちこぼれの人物ではない事が想像できる。
*『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛を込めて〜』 (23日)
『翔んで埼玉』 シリーズ第2弾。
・このような ナンセンス ギャグ? とても苦手なので敬遠していたが俳優が豪華な事と、割と面白かった。
・『翔んで埼玉』Ⅰ同様いろいろなエピソードをパロディ化してあり、それらに詳しいKさんはとても楽しめた。
・そのエピソードをいくつかは
「古代蓮の里展望タワー」(通称:行田タワー)
行田蓮(古代蓮)が有名な「古代蓮の里」。シンボルはこの古代蓮の里展望タワーです。
これも登ってみても何もないので、巨大な田んぼアートを作ることにし、23年は 『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛を込めて〜』の宣伝の絵になった。
「しらこばと水上公園」
埼玉県越谷市およびさいたま市岩槻区に所在する埼玉県営の都市公園。
映画では「海岸から砂を持ち帰り、(越谷に)広大なビーチを作る」と、こうして、黒い千葉の砂ではなく、未開の地・和歌山の白浜にあるという美しい白い砂を求め、船で西へ向かうことになる。
実際はオーストラリアの白砂を,,000万円で買って来て、海のない埼玉が夢みた光景だったが、結局は利用者も少ない状態。映画の中で、「費用の無駄使い」と埼玉行政を批判したセリフがある。
「とび太くん」
交通安全啓発のために設置されたもので、滋賀県の東近江市が発祥の地。 とび太くんの看板設置数が全国1位.映画の画面にたくさん出てくる。
「大宮ガチャ」
大体ご当地のガチャは名所旧跡などがあるが、大宮にははあまりなく、「ARSCHE」などが入っていたが、意外と若い人に人気があり、映画の中に「大宮ガチャ」が出てくる。
滋賀や大阪の事などももっと多くのエピソードが隠れているとおもうので、パンフレットか何かにまとめて出してあれば楽しめるはずだが、製作者の意図するところか、おしいと思う。
俳優陣をはじめ、費用もかけた力作。『翔んで埼玉』Ⅰで37億円以上の興行収入との事でⅡに繋がったのだろう。
*『ドント・サレンダー・スナイパーズ・アイ』 Fortress Snipers (22米)
ブルース・ウイルスが失語症を発症し映画界を引退する最後の作品
*『ダイ・ハード4.0』(2007米)
「ダイ・ハード」シリーズ5が最後の作品で、これも大分剥げて年を取っていた。
ブルース・ウイリスは1980年代からハリウッドで大活躍した俳優、2000年にデミ・ムーアと離婚した。
1970年代 TVシリーズ「ブルームーン探偵社」で大人気で大好きな俳優でした。
*『ラーゲリより愛を込めて』 (2022)
大宅賞、講談社ノンフィクション賞の辺見じゅん『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』が原作の感動的な実話。
実話といううのは胸を打つものがあるが、若い観客を狙った為か俳優が戦争を知らない若い俳優陣であったのは説得力にかけるのではないか?でもたくさんの方に観てもらったこと、若い役者さんたちが戦争の悲劇を伝えたいと思ったこと、確かに素晴らしい!
シベリヤ抑留の暗い話だから、若い人気者の俳優が真剣に演じているのは救われている気がした。
日本映画もこの様にして、俳優も世代交代をしていかなければならない。
*『切腹』(1962日) 脚本 橋本忍。 監督 小林正樹
仕官先もままならなく食い詰めていた浪人津雲半四郎(仲代達矢)が、井伊家の屋敷を訪ね、屋敷の庭先を借りて切腹したいと申し出る。だが、その半四郎の口から恐るべき武家社会の虚飾と残酷性を告げられるという衝撃的な作品で、日本が尊重するサムライ精神の根本を覆すようなアプローチが評価された作品でもあった。
仲代達矢(1932年生)が藩取りつぶしの浪人で圧倒的な存在感、あまり年の違わない岩下志麻(1941年生)が娘役。
武士社会の残酷さを描いた白黒映画ですが美術・セットも音楽も脚本も全て素晴らしくその世界に引き込まれて悲惨な話なのに目が離せなくなります。
*『一命』(2011 日) 監督 三池崇史 出演 市川海老蔵
歌舞伎俳優の市川海老蔵が、仲代達矢が主演した不朽の名作「切腹」(1962)を三池崇史監督が3Dリメイクする映画化
井伊家の屋敷も「切腹」は白黒にもかかわらず凄い迫力、威厳が感じられるカメラアングルには圧巻。「一命」は3Dとあるが、全然もの足りなく、生活に窮しても、武士の誇りを失わず、大名に斬りこんでいく仲代達矢に比べると、海老蔵の演技は劣っていた。
「切腹」は1963年にカンヌ国際映画祭で審査員特別賞受賞。この時代にカンヌで認められた事は驚く
1962年はそんなに昔ではない。1960年代は日本映画が黒澤明の作品など世界に認められた時代。
充分昔です。
というような話がでました。因みに私は62年女子大卒です。
鑑賞の仕方にも年齢差が大いにあるのだと思いました。
*『東京物語』 (1959 日) 『秋刀魚の味』 (1962 日)
・『PERFECT DAYS』のヴィムベンダース監督が小津安二郎監督作品を尊敬していて、日常の生活を淡々と描き言葉は少ないが、心の底は温かい人物を描いている共通点があると思いこの2作を観てみた。
・やはり違う点は監督の指示の下なのか、セリフがとても自然で、日常によく耳にするような共感みたいなものを覚える。(お若い方には反論もあるかもしれません)
・ヴェンダースは公園の樹々等外の自然を多く画面に取り入れられているが、時代のせいもあるかもしれないが、小津作品は外の画面は少ない。
*『君たちはどう生きるか』 (2023スタジオジブリ) 監督 脚本 宮崎駿
・先回も話題になったアニメ映画ですが、ゴールデングローブ賞を取りアカデミー賞にもノミネートされるのではと言われているので、久しぶりに参加くださったOさんのお話をとりあげました。
他の皆さんは理解しがたい作品だったという感想でした。
ストーリーは解りにくいところもあったが、絵が素晴らしい。結局はお母さん捜しの映画だと思う。
先日NHK[プロフエショナル] の宮崎駿の特集で、
この映画の最後のシーンで賢人が眞人に「お前が理想の社会をつくれ」と言われ、眞人が蹴るような態度をとるところがあるが、この賢人は高畑監督がモデルになっていて、宮崎監督が対自したこの点に力点をおいたのではとおもわれた。
*『ゴジラ−1.0』
・主演 神木隆之介。 ゴジラシリーズ70周年記念作品。監督、脚本、VFXは、山崎貴
戦後、無になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を 負 に叩き落す。
史上最も絶望的な状況での襲来に、誰が?そしてどうやって?日本は立ち向かうのか―。
解り易く、恐ろしいがよく出来ている。
戦闘機でゴジラに向かっていく事、そして生き残っている、戦災による悲劇も映し出しながら、ゴジラによるエンタメ部分も盛り込んで戦後世代の監督が描いた作品が海外で人気があり、アカデミー賞にも候補にあがっているのではないか。
*『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 (23米)
主演 ティモシー・シャラメ。『砂の惑星』
ロアルド・ダールの児童小説を映画化した『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚。
前作ジョニー・デップが演じたウィリー・ウォンカの若い頃の話。
小さいおじさんウンパルンパ役も前作と違い、ヒュー・グラント。
ダールの「Charlie and the Chocolate Factory」 は子供に色々なルールを守る事、躾けを教えるのにとても良いので、アメリカでベッドタイムストーリーの本として使われていました。
私も自分の興味から子供に読み聞かせ、映画もとても楽しく一緒に観た事を思い出します。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 は原作もしりませんし、この話は初めてです。
ダールは児童文学では人気作家です。 シュルツの「チャーリー・ブラウン」(スヌーピー)も大人気でした。
*『アナログ』
・主演 二宮和也 波瑠。ビートたけしの小説の映画化。
大人の純愛映画
*ドキュメンタリー『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界 Beyond the visible 』
20世紀初頭のスウェーデンの女性画家。ヒルマ・アン・クリント。
カンディンスキーよりも前の時代に抽象画を描いていた人がいたという発見。
昨年、恵比寿の写真美術館で公開されていたものを2日限定で清澄の映画館で公開された。
実際の絵の展覧会も見たかったが、この映像でも、いろいろな事を知ることが出来た。
・この時代はまだ女性画家はなかなか認められていなかった。女性には男性ヌードを画く事も許されなかった。
・抽象絵画を観て、自分が考えてもいなかった感情の動きを覚える。
・芸術から受ける感動はこれだなと感じた。
・色彩もすごくきれいで、実際の絵をみてみたいと思った。
スエーデンはこの色です。ベージュ、薄い緑、きれいなパステルカラーでなく渋い色合い。
スエーデンのインテリアもこの色合いです。落ち着いた色合いが私は大好きです。
*『ヴォルテックス』 VORTEX (21仏 ベルギー、モナコ、オーストリア)
・映画評論家である夫と元精神科医で認知症を患う妻。
・離れて暮らす息子は、2人を心配しながらも金銭の援助を相談するために家を訪れる。
・心臓に持病を抱える夫は、日に日に重くなる妻の認知症に悩まされ、やがて、日常生活に支障をきたすようになる。そして、ふたりに人生最期の時が近づいていた…。
Vortex=渦巻き 切ない話。
画面が二つに分かれ並べたり、重なったり、面白い画面だったが、意味までははあくできていない。
*『First Cow』 (19米)
・物語の舞台、西部開拓時代、オレゴン州。アメリカンドリームを求めて未開のそ地にやってきた料理人のクッキーと中国人移民のキング ルーは共に成功を夢見る2人は意気投合し、この地に初めてやってきた 富の象徴である牛からミルクを偸み、ドーナッツで一獲千金を狙う甘い、甘いビジネス。
盗むミルクを美味しくするため、牛に優しく接していいミルクを出させようとするところが印象的だった。
*『ポトフ 美食家と料理人』 The Pot-au-Feu (23仏)
・1885年を舞台とし、料理人とその雇い主の美食家の恋愛が描かれる。
ウージェニーは有名なレストラン経営者のドダンの下で20年間シェフとして働き、その分野では優秀とされていた。
ウージェニーとドダンは厨房で何年も共に過ごしたために特別な感情が芽生えていた。
食への愛を分かち合った2人は他にはない美味で極上の料理を生み出し、世界中の美食家を魅了する。
貴族の宴会の料理を注文され、フランスで一番親しめられているポトフをメインに出す事に決めていたが、料理人の彼女が病死し、一時は全てを放棄した美食家が最後はまた新しい料理人を捜して立ち上がる。
ルノワールの絵画、ピクニックの情景が映像に.大好きな映画『バベットの晩餐会』をおもわせる、料理人=芸術家の心を感じる映画でした。
仏映画!暖炉の焚火の音、鍋と調理器具の触れ合う音、庭の鳥の鳴き声、だけで、音楽がないと作り物という感覚がない。 映像も自然の色合いも素晴らしい。
ジュリエット・ビノッシュも好演。
*『ザリガニの鳴くところ』 Where the Crawdads (2022米)
・世界的ベストセラー小説の映画化。幼ない頃は家庭にみはなされた少女の成長の生き方を追うサスペンス。
*『首』 (2023日)
・原作 脚本 編集 監督 北野武
・北野武が構想に30年を費やして描き出した“本能寺の変”。
・登場する武将たちの“偉人オーラ”は鳴りを潜め、代わりに強調されていくのは“狂人”としての側面だ。人間として業や欲、裏切りにフォーカスし、大義や情け、綺麗事は一切無し。
戦国時代の織田信長、家康、秀吉どの武将 を今まで描かれた人物像でない面を描いたと言うが、美しがない。 明智光秀(西島秀俊)と荒木村重(遠藤憲一)の同性愛の場面は汚くて見ていられない。
◆ドキュメンタリー
*『ハンス・ジマー 映画音楽革命児』 Hans Zimmer Hollywood Rebel (2022英)
『レインマン』、『グラディエーター』、『インセプション』、『ダークナイト』三部作、『テルマ&ルイーズ』、『ラストサムライ』、『ブレードランナー2049』、『ダンケルク』など
*『モリコーネ 映画恋した音楽家』 (2021米)
2020年91歳亡くなった映画音楽p巨匠エンニオ・モリコーネ
「ニューシネマパラダイス」 「荒野用心棒」「ワンスアポナタイム イン アメリカ」 「アンタッチャブル」
米映画は映画音楽の効果が大きな役割を果たしている。
その音楽を作る裏側が克明に描かれ、とても面白かった。
*『野村萬斎 ロンドン密着スペシャル』 (2003日)
・密着取材野村萬斎がロンドンで「ハムレット」 を演じた。俳優日本人、日本語、演出英国人
*『ハムレット』 (23日) 劇場中継
・演出 野村萬斎 翻訳 河合洋一郎 出演 野村祐碁 野村萬斎 岡本圭人 若村麻由美
野村祐碁のハムレットは気品があり、王子らしい。セリフもはっきりしてさすが、狂言役者と思わせた。
*『アデル~30のかしい瞬間~』
2021年リリースしたアルバム「30」を世界中大ヒットした歌姫アデル。
これまでの足跡をたどり彼女魅力を紐解くインタビューとドキュメンタリー
*『さよならをする時まで』 Live till Die
・スウエーデン ストックホルム介護施設で撮影された。
人数が少ない事もあるが、老人ちが家族ように暮らし介護士ではない人が身内ように寄り添って心のケアを
してくれる人がいて、費用はどうなっているのか?
日本介護施設と比較した。
みんなおしゃれをしていて、スタッフが100歳の誕生プレゼントに、レースの美しいブラジャーを送る様子に素晴らしいと思うばかり。